丹波市の営農モデル

有機栽培

春日町 しんペ~農園

渡部 真平・千明 さん

出身:神戸市

渡部さん家の農業

2009年に就農し、丹波市春日町小多利で、露地野菜(農薬化学肥料不使用)約100品目と、丹波栗、いちじくなどの果樹を栽培している。
野菜は、主に個人のお客様へ野菜セットとして販売している。
主に、真平さんは栽培に関することを、千明さんは販売に関することを夫婦で分担するスタイルで営農している。

  • 満足度

  • 設備

    • トラクター
    • マルチャー
    • スパイダーモア
    • ハンマーナイフモア
  • 面積

    • 畑 1.2ha
    • 果樹 5a
  • 販路

    • 野菜セット
    • 飲食店

栽培品目

年間100品目の野菜を栽培している
端境期の3~4月、9~10月以外は8品目の野菜セットを作れるように季節の野菜を栽培している
少量多品目経営は年間通して様々な作業を同時進行で行わなければならない
また、近年の気候変動で不作の品目もあれば豊作の品目もあるので売上が気候に左右されにくいことが特徴である

1日の流れ

  • 日の出、日の入りに合わせて働いている
    かなりハードワークに見えるが、農作業の合間に家事をする時間も混ざっているので家事分担もできていることや、昼間に家族といる時間は長く、畑で遊んでいる子どもたちと接することができており、仕事が辛いといういうことはない
  • 夏 5時~20時 (5時~10時:収穫作業、10~16時:出荷作業、16時~20時:管理作業)
  • 冬 8時~17時

就農のきっかけ

幼少期から母親の活動を通じて丹波市市島町の有機農業に親しんできた。
大学在学中、就職活動の一環で参加した農業短期研修先の若手農家がいきいきと仕事をしている姿を目の当たりにしたことをきっかけに、「農業を生業にしたい」と強く意識。
大学卒業後、淡路島で慣行農業の玉ねぎ農家に就職。

就農前の動き

就職先の近隣有機農家から「環境にも人にも良い農業」の話を聞き、有機農業への関心を深めた。
有機農業が盛んな市島町を思い出し、就農の地として選ぶ。
2009年に丹波市市島町へ移住し、研修制度を活用して市内有機農家さん2軒で1年ずつ2年間の準備期間を設けた。
研修先の有機農家さんは兵庫県有機農業研究会から紹介をしてもらった。

就農後

  • 1年目

    • 研修先の近隣農家から紹介してもらい、市島町の15aの農地で、研修と並行して営農スタート、地域から声がかかり最終的には100aまで農地が広がる
    • 機械は近所の方が使っていなかった古いトラクターをもらい、修理して使用
    • 主な売り先はグループ出荷、直売所、マルシェ
    • 少量多品目栽培で様々な野菜を栽培、出荷
  • 5年目

    • 2014年の丹波市豪雨災害により、家と畑を失うという大きな困難に直面する
      農業をやめることも考えたが出荷先の方から農業を続けてほしいという言葉に勇気づけられ移転を決意する
    • 出荷先である市内カフェの方が家と農地50aを貸してくださり再スタート、周辺で新たに別の農地も借りて100aに拡大
  • 7年目

    • 結婚した翌年、家を購入することをきっかけに春日町に移転
    • 八百屋さんへの出荷をメインにしていたが、丹波市への集荷ができなくなったことで取引がなくなる
    • 八百屋さんで購入していた個人のお客さんから直接購入したいという連絡があり、そこから口コミで広がり今の個人のお客様や飲食店に出荷をすることになる
  • 15年目

    • 比較栽培や昨年の栽培データを取ることで毎年技術の更新をしている
    • 地域の人から農地を預かってほしいと声がかかることが多く、条件のいい農地で営農できるようになった
    • 特に近年の気候変動に対応するため、どの時期に種を蒔くと一番いい野菜ができるのかを研究し続けている

農家さんの想い

  • 農業をしていて幸せに感じること

    • 「子どもが苦手な野菜を克服できた」とお客様から連絡をいただくこと
    • 時間の流れ方や人との付き合い方が、いい意味でのびのびとしていること
    • 子どもたちは自然の中で農業に親しみながら育っており、その影響からか、何事にも前向きで創造性が育まれている姿を見るとき
  • 経営で大切にしていること

    最も大切にしているのは、地域とのコミュニケーション。
    Iターン就農者として、日役や行事に積極的に参加し、地域の人との関係づくりを重ねてきた。
    経営面では「どんな暮らしをしたいか」を軸に、販路を見直し。
    出荷量を追いすぎず、出荷先を絞ることで、農業と暮らしのバランスを大切にしている。

  • 今後の経営ビジョン

    将来的に、経営が落ち着いたら自分たちは家庭菜園くらいの規模に縮小して自分たちの野菜を食べて育った子供たちの中で農業をやりたい子に引き継げたらいいなと考えている。
    農業をこの地域で続けてくれる人を育て、育てた野菜を美味しいと言ってくれる人が外から来て、この村がこのままあり続ける未来が理想。

  • これから就農をする方へ

    農業を継続するという強い気持ちと地域との繋がりを大切にする姿勢が必要です。
    上手くいかない時もあるし、自然災害などどうすることもできないリスクもあるが、市島豪雨災害で被災した時に農業をしたいという気持ちを持ち続け、周りの人に助けてもらえたから、農業を続けてこられました。