40代で入学した森田さんは、奥さんとお子さんとの3人暮らし。農の学校に入学する直前まで民間企業に在籍し、中国に赴任していました。入学を検討する際は、自分たちにとって何が一番大事かを掘り下げて話し合い、家族が一緒に住めること、子育てを一緒にできることが大事だと再認識したとのことです。1年間学校に通いながら家族で何でも話し合っていて、必ずしも専業農家になることだけがゴールじゃない、より時代と自分にあった生活を柔軟に考えていこう、と決めているとのこと。

 

(同期生と農の学校のマルシェ出店に参加 写真右:森田修治さん)

 

今、とても充実しています!

 

農の学校では、今、畑にずっといるのが楽しいですね。キレイな水、空気、みどりに囲まれたこの丹波市の風景の中で、畑にいつまででもいたい(笑)。

学校は基本的に週5日で、座学や近所の農家さん見学などもありますが、それ以外の時間は常に畑にいます。

学校で学んだことを毎晩振り返っているのですが、毎日自分が成長していると実感できることが本当に楽しく、野菜や雑草の成長も実感しながら、毎日“生きていること”を楽しんでいます。

(農業への転換を)共に決断し、サポートしてくれている家族には、いつも感謝しています。

 

【入学前について】

●農業を志したきっかけは?

中学生のころから環境問題に興味があり、中にいるより外にいることが好きな性分で、「自分がやりたいこと」「自分を活かせること」は何か、を掘り下げたときの1つが農に関わることでした。

近い記憶としては、会社のグリーンカーテンを担当させてもらったときですね。30m×5mの壁一面をゴーヤーやヒョウタンなどで埋め尽くしました。これをつくるとき、プランターなんですけど、毎日毎日、全く飽きず、成長を一緒に楽しめる自分に気がつきました。

また、仕事で海外に赴任していたとき、強く感じていたのは、日本の自然の美しさでした。空気、土、水、すべて美しい。これはお金では買えないものであり、本当に尊いものであり、今の日本にとって最大の強みでもある。この自然を活かすことに自分が直接関わりたい、と思ったときに、農業を通じて自分も貢献できるんじゃないかと思いました。そして今、丹波市で毎日それを実現できていることが幸せで、夢に一歩一歩近づいている自分に感動しています。

 

(農の学校5期生集合写真)

 

●なぜ農の学校を選んだんですか?

当初は、週末型の農業学校をメインに探していたのですが、全日制の学校があることを知り、やるからには徹底してやりたいと思うようになりました。オンライン見学会に海外から参加させてもらい、自由な雰囲気、コロナにも負けない強さ、明るさを感じましたし、生徒数が20人までという人数にも魅力を感じました。

カリキュラムも、地域の農家さんから全国で活躍する先生まで、バランスよくギュッと濃縮してくれていることが伝わってきましたし、実習重視なところも自分に合っていると思いました。

実際入学してみると、本当にあちこちから多彩なメンバーが集まっていて、自分が入学前に思い描いていた、多様で切磋琢磨できる関係になっています。そんな5期生のみんなに日々感謝しています。入学式の日に、「この一年だけでなく、一生のお付き合いの始まりになればいいな」と同窓生が言ったんですが、この言葉が好きです。そして、実際に叶っています(笑)。

 

(農の学校で出会った仲間と農業について語り合うのがなによりも楽しい)

 

【学校生活について】

●感銘を受けた講義

はじめてのことばかりなので、どの先生のどの講義も新鮮なのですが、特に感銘を受けたのは、ゼミナールの先生の講義です。もともと私は長期ビジョンを立てるのが苦手で、一所懸命取り組んでいるうちに、目的と手段が入れ替わってしまうときがありました。そんな中、先生がおっしゃったのは、「農業をしていたら毎日が目の前の農作業と取引に忙殺される日々なので、いつのまにか農業を始めた当初の“思い”とは違うところに流されてしまう。だから、ブレないビジョンを持つことを大事にしてください」「“トマトを作る”ことが目的ではなく、作ることで最終的にどんな社会を作っていきたいか、その理念があれば、大変なときでも夢を追い続けられますし、応援してくれる人が増えてくる」ということでした。本当にその通りだと思いますし、講義では具体的に自分の理念の立て方まで教わり、目からうろこが落ちました。私は今、いろんな思いがあるので、しっかりビジョンを描いて、農業を軸にスタートするのはもちろんですが、農業を離れてもブレない、そんな夢を歩んでいきたいです。

 

 

【目指す農業】

 

農業を軌道に乗せる上で、従業員さんを雇ったり法人化したりすることもあると思いますが、会社を大きくすることを目的にしたくはありません。自分が畑にいて、自分が一番に、野菜の育ちや自然の豊かさを感じている野菜生産のプロになりたいです。

今はまだ漠然と黒枝豆(丹波黒大豆)など丹波市の気候風土にあった野菜をメインに栽培したいと考えている段階で、これから学びながら品種選びをしていきます。まずは学校で習った栽培方法を忠実に実践するところからはじめて、徐々に自分の農地に適した地域循環的な栽培方法を見つけていきたいです。

 

また、気候変動が激化する中で、経営安定にはハウス栽培を織り交ぜることが大事だと思うようになりました。視察研修で訪問した若い農家さんが理想的で、ハウス栽培と露地栽培の両方で、本当にキレイな野菜を有機栽培で出荷していました。丹波市内には新規就農の方が多いので卒業後も先輩農家の方々から学ばせていただきたいです。

あと、香菜(パクチー)などの中国野菜の栽培にもチャレンジしたいです。まだ日本であまり知られていない野菜や、スーパーに常備されていないけど熱烈なファンがいる野菜の中で、自分が好きな野菜を掘り下げていきたいと考えています。栽培が軌道に乗ってきたら、農家民宿や体験農業も展開して、国内のお客さんだけでなく海外からも人を招いて、この日本の自然や「農」のすばらしさを体感してもらいたい。

そして、10年~20年先、この農業の知識・経験を活かして、宇宙に行きたい。月に行きたいです。私は、「おいしいものを食べているときに争いは起こらない」と信じています。世界中の人々と野菜を通じて交流し、持続可能な世界になるために自分自身が日々貢献できていると実感できる農業を目指したいです。