●武田さんの信条

1に健康

1に家族

2,3,4がなくて

5に愚直に農業

●なぜ、農業をはじめようと思ったんですか?

まず外で働くことが好きなんです。体を動かしていることが好き。だから、漠然と自分は農業に向いていると思っていました。実際、農の学校に入学してやってみたら、やっぱり楽しい。向いています。天職だと思います!(笑)

暑いのは苦になりません。学校では、座学より実習が大好きです(笑)。40代で体力が落ちてきている面もあると思いますが、体を動かしていることが幸せです。

あと、モノづくりが好きです。絵を描いたり、創造するのが好きで、デザイン系の仕事をしていたこともありますので、先々は「農業×モノづくり」で楽しいことを見つけていきたいです。

キャプション:農の学校の入学当初に描いたイラスト

 

●農業にたどりつくまで

関西出身で高校卒業後すぐ就職しましたが、1年でやめちゃいまして、19才のときにワーキングホリデーに行きました。オーストラリアをバスで1周しました。その後、専門学校を経てデザイン会社に就職しましたが、毎日締め切りに追われながら、昼夜、休日も関係なく仕事でデザインし続けるのは大変でした。どんな仕事でも大変でしょうけど、ふと将来を考えたときに、自分にはこの生活をずっと続けるのは難しいな、と思いました。そこで、今度は自分の体力を活かせる仕事をと考えて、20年間、消防の仕事をしました。この職場はやりがいもあって、上司と同僚や部下にも恵まれて、自分に合っていたと思います。今も感謝していますが、40代半ばになって、中間管理職も経験させてもらって、自分ができる仕事を一通りやり切った感がでてきたときに、ふと、次は農業をやりたいな、と思ったんです。

●なぜ、丹波に?

丹波市を選ぶ前に、関西以外でも何か所か就農相談で現地にも足を運びましたので、他にもいいな、と思うところはありました。でも、前職で「応用するには基礎がないといけない」と上司に言われたことを思い出しまして、自分は農業初心者なので、やはり基礎をしっかり学んだ方が良い、と感じました。ちょうど、奥さんと「関西に戻ろっか」と相談していたときに、奥さんが「農の学校」っていうのがあるよ、と見つけてきてくれました。早速、見学会に夫婦で参加して、丹波の雰囲気と学校の内容を見て、ここなら、と決めました。

実際に丹波に移住してみると、周囲の人たちがとても親切で、私を見かけたらわざわざ軽トラをとめて話しかけてくれます(笑)。ここなら農業を始めやすいな、と思いますね。

●どんな農業をしたいですか?

とにかく、楽しい農業をしたいですね。まず枝豆が好きなので、特産の丹波黒枝豆は大きく作りたいです。丹波らしい品種や季節の作物にも興味がありますが、1つ1つの作物に集中したいので、何十品目も並行して育てるというよりも、少し品目を絞って、いいものを作りたいです。ただ、前職で中間管理職をやっていながら言うのも何なんですが、緻密な計画を立ててその通りに実行する、という進め方は苦手です。むしろ臨機応変に目の前の仕事をこなすのが好きですし、やりはじめた仕事は、早く結果を見たい(笑)。その意味で、何年もかかる作物よりも、日々成長が見えて、その年のうちに結果がでる作物が向いていると思いますね。

それから、デザインは今も好きなので、農業に自分のデザインしたものを取り入れたり、農業×デザインで何かおもしろいモノづくりができたりしたら嬉しいですね。絵を描いたり創造したりしていると、ついつい時間を忘れます。考えているだけでも楽しいので。

 

あとは、家族で農業を楽しみたいです。奥さんもはじめから農業をやりたい、と言っていましたので一緒にやっていくつもりですが、ゆくゆくは子どもも一緒にできたら嬉しい。今は、家に帰って家族で夕食を食べられることが幸せです。もっと若い時に始めても良かったと思うくらいですね。